第6章 禁じられた遊び
「……本当に、色々お世話になりました。一応原因は坂内の祟りってことになってるんで。騒ぎを収める為にも慰霊祭のようなことをやろうと思ってます」
「それがいいかもな」
「……坂内くんは、呪詛が失敗して残念だったかな。ほっとしたのかな……」
麻衣の言葉にあたしも悩んだ。
呪詛を行って松山先生を殺そうとしていた坂内くんは、今回のことをどう思っているんだろうと。
「どっちだと思う?」
「わかんないよ。分かんないけど……ほっとしてくれたほうがいいな……って思って」
「麻衣はいい子だねぇ」
あたしは思わず麻衣の頭を撫でてしまう。
それに続いてぼーさんも頭を撫でていた。
「トコロデ少年。ここだけの話だけどな、実はあん時ビビってたろ?」
「あのとき……ああ、呪詛を返すって言われた時ですか」
「そうそう」
「でもぼく信じてましたから」
「なにを?」
「自分を」
相変わらず、食えない性格でありいい性格をしている。
そんな安原さんにあたしは引き攣ったような苦笑を浮かべた。
「だってこの若さで死ぬほど悪いことした覚えはないですから。何があっても自分だけは助かると確信がありました」
「……おまえさんは長生きするよ……」
「ほんと、長生きしそう……」
「そのつもりです」
ー『禁じられた遊び』完ー