第4章 放課後の呪者
誰が悪かったんだろう。
誰がいけなかったのだろう……それは、あたしが一人で考えたところで分からないものだった。
「……ぼーさん、校長に報告を。この人にはカウンセラーの力が必要だ」
「失礼な。あなたは超心理学者ではないの?なのにわたしを病人あつかいするつもり?」
「……先生は疲れていらっしゃる。休息が必要です。──呪詛には体力と……気力を使いますから」
「……そうね。そうかもしれないわ……」
湯浅高校の怪事件はこれで幕を閉じた。
なんとも後味の悪いような、スッキリしない解決だった。
数日後。
事務所には何時ものメンバーが揃っていて、湯浅高校についての話をしていた。
「……なーんか、後味の悪い事件だったなー」
「ですね……」
「そうだね……」
「うん……」
未だに考えでしまう。
あれは誰が悪かったんだろう……と。
「いーじゃないのよ。もうすんだことなんだからさあ」
「松崎さんてほんとうにお気楽ですのね」
「なによ!あんたこそねえ」
また、真砂子と綾子が口争いを始めそうであたしと麻衣が慌てて止めに入った。
「ちょっと、やめてよ」
「あんま大声ださないでよ。ナルにおこられ…」
一番恐れていた事態が発生した。
噂をすれば、ナルが所長室から出てきたのである。
あたしと麻衣は青ざめてしまう。
「麻衣、結衣」
しかも名前まで呼ばれてしまった。
これは怒られるのだろうか……と青ざめているあたしと、笑って誤魔化そうとする麻衣。
「なんでしょうか、所長」
「お、お茶いれようか?」
「要らない。それよりも、これからちょっとした実験に協力してもらう」
ナルは無言であたしと麻衣の目の前に、見たことの無い機械を置いた。
英語で1から4の数字が書かれた、スイッチのような機械だ。
「この機械が四つのライトのうち、どれかをかってに光らせる。どれが光るか予想してスイッチを押すんだ。できるな?」
「出来るけど……」
「なにこれ?」
「サイ能力のテスト」
ぽかんとあたしと麻衣はあほ面を晒す。
一秒もしないぐらいで、なんとか正気に戻ったあしと麻衣は叫んでしまった。
「……って超能力テストーっ!?やだよ、なんでそんなの!あたしと結衣に超能力なんてあるわけ……」