第4章 放課後の呪者
あたしと麻衣は、また出掛けるメンバー達に『行ってらっしゃい』と声をかけて会議室に残った。
机に投げ出された相談内容が書かれた紙を見て、真砂子の言葉を思い出す。
『霊はいない』
これだけの相談があって、霊がいない。
どういう事なんだろうと不思議でたまらなかった。
「真砂子は霊がいないって言うけど、それならなんでこんなに事件がおきてるんだろうね」
「そこが不思議だよね。真砂子が嘘をついているとかは思えないし……」
二人で相談内容を纏めていれば、ふわりと眠気が襲ってきた。
隣にいる麻衣も眠たそうに欠伸をしていて、慌てて二人揃って首を横に振る。
「う〜イカンイカン。寝たりしたらナルになにいわれるか」
「小言は言われたくないよねぇ」
「寝てたら起こしてよ、結衣」
「嫌だよ、自分でちゃんと起きてて」
なんて軽口を叩いていたが、強い睡魔が襲ってきた。
眠ってしまいそう……いや、もう眠ってしまう。
軽く目を閉ざした時、あたしはもう眠ってしまっていたのかもしれない。
「あれ?」
何時の間にか、あたしは暗闇の中にいた。
もうこんな暗くなる時間だったろうか……と思いながら歩き出してみる。
誰もいない。
他の皆は、麻衣はどこにいるんだろうかと辺りを見渡していれば声が聞こえた。
「結衣〜」
後ろを振り向けば、そこには麻衣がいた。
「麻衣!他の皆、知らない?」
「あたしもわかんない。帰っちゃったのかな」
置いていかれたのだろうか。
なんて疑問に思いながら、あたしと麻衣は歩き出した。
暫く歩いていると、見慣れた人物がそこにいた。
「──ナル」
どうやら置いていかれた訳じゃないらしい。
そう思って安堵し、麻衣と共にナルの元に駆け寄った。
「やだ、もーっ。おいていかれたかと思っちゃった」
「ナルいたんだあ、良かった〜」
あたし達が駆け寄っていれば、ナルが軽く腕を上げて何かを指差した。
「え?なに……」
「どうしたの?」
「……鬼火だ」
ナルが指差した方向を見た瞬間、ゾッとした。
そこには校舎があったのだが、そこには沢山の数え切れないくらいの鬼火があったのだ。
「鬼火……」
鬼火はゆらりと揺れていた……。