第3章 公園の怪談!?
そんな彼女に法生は微笑む。
そして結衣の頬を少しだけ摘むと、眩い笑顔を見せた。
「いーんじゃねぇの?感受性が豊かってことだ。おれ、そーいう子好きだぜ」
「えっ」
「それに……」
泣いている姿が綺麗だった。
法生はあの時、結衣の泣いている姿を見てそう思ってしまっていた。
静かに涙を流し、涙で瞳が輝いている姿。
その姿に純粋に綺麗だと思ってしまっていたが、これを言うのは変だと思われないだろうかと法生は口を閉ざした。
「それに……?どうしたの、ぼーさん」
「……いんや。なんでもない」
これでは本当にロリコンかもしれない。
法生はぐしゃりと結衣の頭を撫でながら、溜息を吐き出した。
そんな彼に結衣は不思議そうにしながらも、別の映画を見ていて出てきた麻衣たちに気づいてそちらへと走っていく。
「ロリコンじゃねえよな……おれ。うん、ちがう。純粋に綺麗だって思っただけだわ。それにいくつ年下だと思ってんだよ、結衣は」
ぼそりと呟いた言葉は結衣は聞こえていない。
ただ満面の笑みを浮かべながら、法生へと手を振る。
「ぼーさん!綾子がごはんいこうって〜!」
「……おー」
法生は苦笑を浮かべると、結衣たちの元に歩いていった。
ー『公園の怪談!?』完ー