第3章 【先生】
コツ、コツ、コツ....
先生の、白くて、少しごつごつとした手が、黒板に文字を書き続けます。
「ここ分かる人、います〜?」
白衣を翻し、彼は美しくにぃっと笑って見せました。
「はいはいはーい♡せんせぇっ!!」
と女子生徒達が黄色い歓声をあげ、我先にと手を上げています。ただ一方、
「.....」
男子生徒は、誰も、手を上げませんでした。
「あれ〜?男の子たちは、どうしちゃったのかな」
と、先生は男子生徒諸君に問いかけます。
しかし、全員、ノートを取るフリをしていました。
この時、このクラスの男子生徒達は、心中穏やかでは無かったようです。
ーーー俺に優しくすんなよ!!どうせ!またすぐ捨てるクセにっ...!!
ーーーそれかまた"食われる"ぞっ...!!
そう、この先生、ちょっと、というかかなり訳アリの教師でした。