第2章 【幼馴染】
夕焼けが差し込む学校の図書室の中。
それも2人っきり。
そんな幻想的なシチュエーションが、もったいなく感じる。
だって..
俺は本のページをめくりつつ、横をチラリと見た。
「わはわはっ!そなたようやく俺の方をチラ見したな!晶大(あきひろ)よっ!」
と、隣の椅子で豪快に笑うのは、俺の幼馴染の天竜慈千聖。
てんりゅうじちひろ、と読む。
ーーすっげぇ苗字だろ。
んでもって、すっげぇ性格...というか、恐ろしくなる位うざってぇ性格の奴だ。
「うるせぇな...千聖..」
と、俺はメガネをくいっと上げる。
幻想的な夕焼けも、全てを台無しにする。
それが天龍慈千聖。
「図書委員としてっ!そなたに忠告してあげよう晶大!」
俺を真似して、千聖もメガネをくいっ!とした。
「どうだそなた!今の真似してやったぞ!ふむ!俺への好感度上がったか!ナンチャラ効果でな!」