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隣の席の蜂楽くん【ブルーロック】

第2章 夏休み


 球技大会でボールが頭に直撃した柚は検査に異常はなかったものの、登校できたのは翌々日からだった。たんこぶができた所がまだ少しズキズキする。
 保健室の先生からあの時運んでくれたのは、蜂楽だと聞いた。ただ、兄が迎えに来たとき彼はまだ眠っていたからお礼は言えてない。

 どんな顔して会えばいいんだろう。気まずいなぁと思いながら登校すると、靴箱でばったり蜂楽に会った。
「委員長、おはよう!怪我は大丈夫?」
「お、おはよう。
あの時蜂楽くんが保健室まで運んでくれたんだね。私、重かったのにごめんね」
「全然、軽かったよ?委員長ちゃんとご飯食べてる?」

 蜂楽はきょとんとした顔で「ちゃんと食べなきゃダメだよ」と言葉を続ける。教室まで歩きながら、これは脈なしだなぁと柚は思った。
「あとこれはお礼。ありがとう」
「やった♪委員長、ありがとね!」
 柚は紙袋を手渡す。和菓子屋のお菓子がいくつか入っていて、蜂楽は破顔した。

 
 昼休み。弁当を食べ終わった蜂楽はワクワクしながら柚からもらったお菓子を広げていた。どら焼き、カステラ、まんじゅう…、どれもおいしそうで目移りしてしまう。このサッカーボールの形のもなかは気に入ったから最後にとっておこう。
「あんこ、あまっ!おいし〜」

 こんなにおいしいなら、今度委員長の家に買いに行こうかな。パッケージの裏を見ると、小さく店の名前が書いていた。
「たかなし堂」
 ああ、そうか、そうだった。委員長って、たかなしっていうんだ。

 

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