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隣の席の蜂楽くん【ブルーロック】

第4章 かいぶつ


 蜂楽にマフラーを貸した翌日から、柚は熱を出して学校を休んだ。普通に風邪だ。
(私が風邪引くとかシャレにならない…)
 蜂楽に風邪を引かないようにマフラーを貸したのに。

 学校を休んで3日目の夕方、突然蜂楽が家にやってきた。
「やっ♪委員長、大丈夫?」
「蜂楽くん、連絡してから来てくれない?」

 パジャマにカーディガンを羽織っただけの柚はため息を吐く。熱は下がったけど髪はぼさぼさで、こんな姿を蜂楽に見られたくなかった。

「ごめん、ごめん。これ、借りてたマフラー」
 蜂楽はいつものようにきゃらきゃら笑う。全然反省してないな、コレ。
「学校でよかったのに」
「あー、それなんだけど、おれ来週からJFUの強化選手の合宿に行くから、学校休むんだよね」
 JFUの強化選手の合宿?それってすごいことなんじゃ?
「すごいじゃん!!頑張ってね!」
「ん」

 よかったね、蜂楽くん。やっぱり神様はどこかで見てくれているんだね。
 きっと彼ならサッカー選手になれる。


 満面の笑みで喜ぶ柚を見て、蜂楽は前に一歩踏み出した。
「おれと柚ちゃんって、友達だよね?」
「そうだよ?」
 ん?急にどうした、柚ちゃん呼び。何か蜂楽の雰囲気が変。
 手を伸ばして横髪に触れられて、ドキッと心臓が高鳴った。

「おれ、もう友達やめようと思って」
「え…」
 思わず顔を上げた先には、真剣なハニーレモンの瞳。蜂楽のこんな顔、見たことあったっけ。

「合宿から帰ってきたら、友達じゃなくて、おれの彼女になってよ」
 
 どうしよう。頭の中がぐちゃぐちゃで、脳内のエラーが止まらない。

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