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隣の席の蜂楽くん【ブルーロック】

第3章 修学旅行


 二学期が始まった。
 次の大会へ向けてハードな練習が始まったようで、蜂楽は今までにも増して授業中も寝ている。静かな授業中に「ロナウジーニョ、パァス…」と寝言を言う時はこっちの方がひやひやする。
 
 さて、運動会と文化祭と行事をこなし、中間テストが終われば2年生が待ち望んだビッグイベント、修学旅行がある。
 学級委員だけあって、柚は優秀な生徒の部類に入る。問題は学年の中でも学力では底辺を這っている、蜂楽廻。

 返ってきたテストをひらひらしながら、隣の席の柚に話しかける。
「委員長、おれ赤点みっつも取っちゃった。再テストでだめなら修学旅行なしで補習だって〜。プロになるから勉強いらないのにね」
「ヤバいじゃん…、何やってんの?」
 いつもいつも寝てばかりいるからでしょうが!とは言えず、息を吐く。プロになるにせよ、留年したら元も子もない。

「ちなみに何が赤点なの?」
「英語と数学と公民!」
 蜂楽は、にゃははと笑うばかり。おまけに答案用紙で紙ヒコーキを作り始め、全然危機感なさそう。
「修学旅行で京都に行ったら甘いお菓子が食べれるのに残念ね」
 投げようとした紙ヒコーキを取り上げて、甘党な蜂楽にわざとらしく言ってみる。
 
 京都といえば和菓子の本場。事実、自由時間に和菓子屋巡り行きたいからお店をいくつか調べている最中だ。
「にゃっ!?お菓子?おれも食べたい!」
 食いついた。目がクリクリの食いしん坊な猫みたい。

「じゃあ英語は参考書貸してあげる。数学は因数分解ちゃんと復習して。公民はここからここまで覚えて。わかった?」
「うん。ありがとね、委員長!」
 そんなこんなで蜂楽は補習を免れた。


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