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She is the pearl of me. @ 忍足侑士

第19章 Jealous Gaze


辺りを見回している姿に声を掛けた。

「セナ」
「マコトちゃんっ」

久しぶり、と手を振る。

「合っとった!
 東京のバス、わかりづらいわぁ」

侑士と、似ているようで少し違うイントネーションで話す声は、記憶より少し低くなっている気もするが、侑士の低音に慣れたせいか、幼く聞こえる。

「お兄さんになったね」
「せやろ?背もちぃと伸びたんよ」

前に会った時とまったく同じ目線に、そう?と首を傾げる。

「152cmになってん」
伸びたやろー、と嬉しそうな青凪。

「そっか。前に会った時はまだ140cm台だったんだ」
「高校出る頃には、勘助を見下ろしとるかな?」
勘ちゃん越えたいのか、と侑士とそう変わらない、青凪からは見上げる背の高さに、頑張って、とエールを送る。

うちに寄る?と聞く。

「あんな、できたら、どっかで打ちたいねん」
そう言って、肩に掛けたラケットバッグのベルトを持つ青凪。

「テニスコート、使えるとこ知らへん?」
そう言えば、と前に侑士と行ったストリートテニスコートがあるはず、と思い出した。
あの時、侑士は管理室に記帳しただけで何か特別なことはしていなかったと思う。

「使えるかわからないけど、そう離れてない所にテニスコートはあるから、行ってみる?」
「行こかな。
 ちょお、付き合うてくれる?」
いいよ、と2人で並んで歩く。

「おっちゃんたち、元気?」
「うん、相変わらずだよ」
「そっか!
 マコトちゃん、かわいなったね」
「へ?」

青凪が、そんな事を言うとは思わず、脚が止まる。

「すぐわかったけど、めっちゃかわいなっとったから、声掛けるんむっちゃ緊張した」
へへ、と笑う青凪。
「とうとうセナも、お世辞を言う年になったのね」
感慨深い、と噛みしめると、あはは、と笑う。

「お世辞ちゃうよ。
 まあ、マコトちゃんは昔からかわええから、当然ちゃ当然やんな」

男、放っとかへんやろ?と、笑う瞳。

「おばちゃん、現役高校生についていけないっ」
「2つ、3つしか変わらへんやーん!」

マコトちゃんおもろいなぁ、と向けられた笑顔はやっぱり記憶より大人っぽくなっている。

(今時の高校生ってみんなこうなの...?)

侑士と言い青凪と言い、(末恐ろしい)、と苦笑う。

「そっち、危ないで」
「え?あ、」

こっち来ぃ、と青凪に手を引かれた。

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