第4章 ※東西高校(MECHATU-A学パロ)
蒼side
入学して一ヶ月が立った。
クラスにも徐々に馴染み女子の子たちとは完全に仲良くなった頃私は先生の手伝いで本を運んでいた。
暇だったから手伝ったのはいいものの、量が多く前が見えない状態だった。
そして階段を登るとき、私はうっかり足をすべらせてしまった。
しまった、このままじゃ頭を打つ!そう思ったとき「危ない!」と誰かが私の手を引いた。
ドタドタバタッ
と本が落ちる音がした。
私の顔の前には誰かの胸板があった。
「大丈夫?怪我ない?」
頭上から声がした。
助けてくれたのは伊波さんだった。
「ぁ、えっと、大丈夫、助けてくれてありがと。」
私がそう言って、本を片付けようとすると
「手伝うよ」
と言ってくれた。
彼は私が持っていた本の半分以上を持ってくれた。
「もう少し持つよ?」
というと
「いいのいいの、女の子にそんなに持たせるわけには行かないから」
といってくれた。
彼は私の少し前を歩いていたため私の顔は見られてなかったが、その時私の顔は真っ赤で胸がドクドクなっていた。
多分、このときには恋をしていたんだと思う。
その後図書室まで本を運び終え、伊波さんにお礼を言った。
「伊波くん、手伝ってくれてありがとう。助かったよ。」
「いいよ、このくらいね!」
と話していると少し遠くから「ライ!」と伊波さんを呼ぶ声が聞こえた。
少しこの時間が終わるのは惜しいなと思いながら
「私もう帰るね、ばいばい」
というと
「うん、ばいばい!あ、あと俺のことはライでいいから!」
といって伊波さんは声の方へ走っていった。
私は、(やっぱり、好きだな、、)と思いながら教室へと足を進めた。