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幻想科学物語

第5章 Z=4 ガスマスク+シールド>H2SO4






「カセキじいちゃん、スイカはうっかりして漆を返し忘れてたんだよ。」


「おぉ、そう言えば!」


スイカははい、と見せると、カセキはおぉ、忘れておったわ、と言わんばかりにみつめる。
受け取りたいが、いまは後ろ手にぐるぐる巻きに縛られているため、後で返しに来るように、という。


「爺さん、あんたが作ったのか、このご立派な盾。鉄も染料もろくにねぇこの環境で。」


「おぉ、元はコハクの父、コクヨウが御前試合で優勝した時に送ったものでのう。わしも結構ガッツいれてつくっちゃったの。めっちゃ懐かしいのう。」


「だから日本語・・・」


おちゃめなのか、それともそういう口調なのか最早突っ込まずに居られないのか、ツッコミをいれるルーチェ。
とりあえず、着いてくるだけ着いてきてよ、とクロムからの頼みに流石に断れなかったのか、カセキを連れて科学王国の拠点へとむかった。


道中、千空がド直球にカセキを褒めるが、カセキの方は橋の板を壊されたことが許せず協力なんか絶対するもんか、と強気の態度でいた。


がそんな態度も千空たち科学王国の拠点に着くなり、ガラスの残骸をみて驚いた反応をみせた。
その反応をみた、クロムと千空は引っかかったと言わんばかりに丈夫そうな筒を持ちながら高らかにいう。


「あぁ、手伝いたくないなら手伝いたくねぇでいい。ちぃっとそこで眺めてろ。おもしれぇもん見せてやる、カセキ。あんたに取っちゃ、100億パーセント唆るぜ、これは。」



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