第4章 Z=3 科学+魔導=マンパワー?
「わわ、スイカの体が急になんか光線に包まれたんだよ!?
不思議なんだよ!?」
「スイカ、深呼吸。」
「わ、わかったんだよ。」
ルーチェは慌てるスイカに呼吸するように伝える。スイカはルーチェの言葉を心地よく感じ、言われるがままにスーハースーハーと呼吸をした。
暫くして光線は収まり、その場から光はなくなった。
「今度こそ、お疲れ様。」
「い、いまのはなんだったんだよ?なんか、こう覗かれているような感覚だったんだよ!!」
「透過魔導を応用してスイカの体の中をみた。主に頭の方。
視神経とかは問題なさそうだった。」
驚くスイカに、千空に頼まれたから、って付け加えてヨシヨシと頭を撫でる。
スイカの方もルーチェの手つきになにか安心感を覚えたのか、気持ちよさそうな表情をうかべる。
「怖かった?」
「最初はこわかったんだよ。でも、ルーチェの手は何だかルリ姉に似てる気がするんだよ。とても落ち着くんだよ!」
「よかった。」
無愛想なりに、目付きだけでも、とどこか優しげに見つめる。
と、同時にふと司帝国にいる母のことを思い出した。
(そういえば、母様もこんな風になでてくれたっけ...
母様、どうしてるかな?)
そんな風にスイカと過ごしていると、珪砂採集にいった3人が戻ってきた。
「ご苦労さま。」
「あ゛ぁ。んで、どうだった?スイカの方は。」
「近眼、かな。はい、資料。」
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