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幻想科学物語

第4章 Z=3 科学+魔導=マンパワー?






ルーチェは、スイカの持ってきた水を一気に飲み干し、近くに目隠しになるものは無いかとキョロキョロ見渡す。


「ルーチェ、今度は何を探してるんだよ?」


「スイカの片目を隠せるようなもの。あ、この大きさなら。」


ルーチェはカバンの中をゴソゴソと探した結果、いつぞや動物を狩った時に綺麗にした毛皮を見つける。
スイカの目の大きさを手でざっくり型取り、簡易的な目隠しをつくった。


「出来た。スイカ、被り物をとって、これで片目を隠してみて。」


「わかったんだよ!」


スイカはなにがなにやらわかってないが、言われた通りにし、目隠しを片目に当てる。それを見届け、スイカの手を繋ぎ、木の近くに連れていく。
そして、木の方から少し離れたところに立たせて、スティックを出す。


「スイカ、スティックでさした絵を答えて。見えなくなったら見えないでいい。目をしぼめなくてもいい。そのままの形を答えて。」


「わかったんだよ。」


ルーチェはスティックを使い、絵柄を次々と指していく。
スイカも最初は流暢に答えるが、下に行けばいくほど見づらいのか、首を横に震る。
やがて、限界が来たので今度は反対の目で同じことを繰り返す。


ルーチェは大体の視力を木材に刻み、記録した。
その後にお疲れ様、といって、片目の布を外してやり、今度は無言で手をかざす。


「スペクティア。」


そう唱えると、丸い光線みたいなものにスイカの身体が包まれた。


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