第4章 Z=3 科学+魔導=マンパワー?
少しして、準備が整ったのか、ルーチェとスイカにひと声をかける千空。
「そんじゃ俺らは行ってくる。頼んだぞ。」
「スイカもお留守番なんだよ?」
スイカは不安そうに皆をみつめるが、千空が頭をなでて微笑み、それに釣られたのか、コハクもクロムも安心しろ、とにこやかに微笑む。
「あぁ、すぐに帰ってくる。それまでは、ルーチェ大先生と水飲みながらまってな。」
そう言って、山の方へとむかった。
みんなを見送ったあと、ルーチェは鞄から木の板を取り出し、模様を大きいものから小さいものを順に掘っていく。
「科学もすごいけど、ルーチェもすごいんだよ。スイカもお手伝いしたいんだよ。」
「ありがとう。そしたら、お水ほしい。」
「わかったんだよぉ!」
スイカはすぐにお水を汲みに小さい器を持って川にでる。
川で水を汲み、それをそっと零れないようにルーチェの元へと運び、竹の筒にいれてルーチェにはい、とわたす。
ルーチェは集中していたのか、気づかず、スイカはそんなルーチェをただみてるしかなかった。
少し時間は経過したが、視力検査票ができあがり、出来栄えを確認し、四隅に穴を開ける。
「ルーチェ、丸とか、三角が小さくなっていくんだよ。どうして小さく描くんだよ?」
「視力測定。スイカの視力、わかるとレンズ作りやすい。」
「ふーん。」
スイカには難しかったのか頭を傾げる。
スイカの方をちらっと見て、無言で撫でたあと、視力検査票と4つの釘みたいなものをスイカの高さに向けて打ち込んだ。
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