第4章 Z=3 科学+魔導=マンパワー?
「そしたら俺はとりあえず、司ちゃん帝国に帰国するよ。
内部の様子も見に行かないと、だしねぇ。」
クルッと後ろを向き、腕をヒラヒラとさせ、その場から立ち去るゲン。
その姿を見送ろうとしたが、ルーチェはまって、と追いかける。
「どうしたの?ルーチェちゃん。シーラちゃんのことなら...?」
ルーチェは、ゲンの手になにかを握り込む。
そして、サラッと、手をかざすとルーチェの手はひかり、ゲンの体を包み込む。
2人はもその眩しさに一瞬目を閉じた。
光は直ぐにおさまり、目が落ち着いた頃に2人とも目を開ける。
ゲンは異変がないか確認するために自分の姿をみてひぇええぇと驚いた。
続いて千空もゲンの姿を見て吹き出す。
「ブフォ。ルーチェてめぇ、ゲンに対して何しやがた。
そんな格好で帰ったら司帝国の笑いもんだ。」
「全くその通りーだよ。ルーチェちゃん、俺のことなにか恨んでるわけ!?」
ゲンの格好は、顔は泥だらけ、胸の辺りには血のあと、服はボロボロといった、いかにも襲われました、という格好である。
ゲンは、納得いかないのかもーどしよー、とか言ってる。
「揉めて怪我ことにしておけば、母様と接触しやすい。
司帝国、とやらは科学未発達、ちがう?」
「....つまり、あちらには薬とか乏しいからもしかしたら、ヒール的な魔導でなおしてくれる、ということ??」
「直ぐにバレると思うけど、少し話す時間、稼げる。」
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