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幻想科学物語

第4章 Z=3 科学+魔導=マンパワー?





「クロム、本当は君にこそ、稽古をつけたかったんだが、マグマを倒せる可能性があるのが、金狼、銀狼だけでな。すまない。」


コハクは申し訳なさそうにクロムに謝る。
その真剣な表情のコハクの思いがうまく理解できなかったのか黙ってコハクの方をみる。


「クロムー!てめぇがルリに惚れてっから金狼か銀狼がルリと結婚しちまう作戦をメンゴメンゴーっつってんだよ。」


「相変わらず、ズケズケと。」


「わたしも大概。けど、千空はもっと、やばい。」


「千空ちゃん、ムードとか少し気にしよーよ。」


千空の横槍に対し、3人とも顔を引き攣らせ、ドン引いた目で千空をみる。相変わらず耳に小指を突っ込んであぁ?なんかまちがってるか?という反応をするだけであった。


クロムは下の様子をみて、ふと幼い頃のことを思い出す。
ルリと村の外の花畑にいったはいいが、急に咳き込むルリ。
落ち着かせるも、ルリから聞いた、自分は大人になるまで生きられない
というせつない言葉。そして、何度も試して絶対ルリを治すと誓ったこと。


(あん時誓ったんだ。ルリをぜってぇなおすって。)


クロムは決意を決めたように、科学倉庫の窓から飛び降りる。


「おう、まるで問題ねぇ。科学の万能薬でルリの病気が治って幸せになってくれりゃこれ以上の願いはねぇ。なんせ、おれは天才科学使い、だかんな!」


大きな声で宣言すると、千空と共にラボに向かうクロム。


その様子をゲンとルーチェはどこか安心したような目で見守った。


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