第4章 Z=3 科学+魔導=マンパワー?
コハクの熱烈な告白が終わったあと、妖術使いとその女、という呼び方は不適切だと思ったゲンは、自己紹介しなきゃ、でしょ、といい、門番のふたりに近づく。
「はいー。では、自己紹介タイムといこーか。
改めて、俺はあさぎりゲン。よろしく〜。んで、こっちの見た目可愛いんだけど、無表情で愛嬌のない子が...」
「ルーチェ・ドーラ。ルーチェで構わない。」
「ということで〜、よろしくね?金狼ちゃんに、銀狼ちゃん。」
ゲンのペースに圧倒し、一瞬固まる2人。
だが、直ぐに、よろしく、といい、2人ともそれぞれに握手を交わす。
そして、交代の時間までは拠点に戻り、千空とルーチェ、そしてゲンはダメ元で動力魔導の研究を、スイカとクロムとコハクは食材採集を行っていた。
そうこうしているうちに、夕方が近づいてきた。
コハクは稽古出来そうな広い場所に門番を交代した金狼、銀狼を集め、稽古を行う。銀狼はコハクの容赦のない稽古に早々に弱音を吐きながら逃げ出し、金狼が銀狼を追いかける。
コハクは、待て、と追いかけようとするが、ふとクロムがいる科学倉庫に視線を移す。
クロムも、なにやら考え事をしているようで夕日をみつめていた。
コハクはとても申し訳なさそうに、何かを言わなくてはいけない、
そう思い、自然と歩科学倉庫の方に移動する。
クロムもコハクの気配を察知したのか、夕日から、コハクの方へと視線を移す。
そして、2人の視線が絡まりしばらく沈黙の時が続く。
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