第4章 Z=3 科学+魔導=マンパワー?
「さすが魔導士サマ。人を簡単に消したり出したりできる。どうなってんのかすげぇ気になって唆りまくんじゃねぇか。」
「千空、それはいかにも、悪い人のやることだ。」
ともかく、ゲンが無事でよかった、とみんなで確認し、科学倉庫へと戻った。
翌朝--------------
科学倉庫に戻った一行は一旦寝るか、といい、ルーチェ以外は科学倉庫にて1晩をあかす。
そして、みんなが起きてきたときに、ゲンとルーチェに話を聞き、だれがおそったのかをまず特定した。
2人の特徴からはプロレスラー並のガタイのいい金髪の男と言われたコハクはおそらくマグマだろう、やつなら動悸がある、とみんなにつたえる。
「理由はおそらく、いや間違いなく、御前試合だな。村で一世代に1度だけ行われる大きな武術大会だ。」
「あぁ、奥の島に見える舞台みたいなやつか。」
「遡るところ数ヶ月前、村の巫女、ルリ姉が成人となる誕生日に行われた。御前試合の優勝者が巫女の夫となり長の座を次ぐ。今の長の私の父もそうしてきたのだ。だが、その時の決勝進出はマグマでな。
マグマはルリ姉よりも長の座にしか興味がなかった。ルリ姉が死んでもいい、早く死ね、そんなことをきいた時に、思わず手がでて、マグマを倒してしまった。」
コハクは、当時の悔しさや、ルリを失うかもしれないという悲しさを思い出し、少し震える。
そんな震えた拳をルーチェがそっと包み込んだ。
.