第4章 Z=3 科学+魔導=マンパワー?
発電機の完成したのは日が落ち始める少し前だった。
ルーチェはダメ元で何度か陣を書いてみたり、呪文を試したが結局、稼働してもバラバラだったり、なかなか発電しなかったり、と不具合がおきた。
そのため、ゲンの薄っぺらい説得で門番の2人、金狼と銀狼で手回し発電を行う。
そして日が落ちきり、夜空には星が散りばめられた夜の中-----------
蒸し焼きにした竹の繊維と、発電機から伸びる導線をもって科学倉庫の屋根に登る2人の少年。
他のメンツは倉庫の下で作業の様子を見守る。
千空は竹の繊維に導線をつける前にクロムに話しかけた。
「クロム、夜はこわいか?」
「お、おう、そりゃ夜は真っ暗だからなぁ。なんだよ急に。」
「俺らの時代に暗闇はねぇ。エジソンのおっさんが白熱電球で夜を消し、世界から24時間を捩じ伏せた。人類は科学で闇に勝ったんだよ。
これは夜を3700年振りに照らす、科学の灯だ。」
そう千空がいいながら竹の繊維に導線を付けると、当たりが明るく照らされた。
コハク、スイカは、圧巻しており、ただただ無言でその灯をみつめており、ゲンとルーチェは、このストーンワールドに、明かりができた、と感動したように見つめる。
どれくらいの時間がたっただろう。
暫くして千空は導線を繊維からはなした。
そして、科学の根幹にたどりついたことに1人屋根の上で喜びを噛み締め、導線を思いっきり握りしめたままこれまで以上の笑顔を浮かべた。
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