第4章 Z=3 科学+魔導=マンパワー?
「…って全然わっかんねぇぞ。どういうことだ!?妖術使えりゃなんでもありなんじゃねぇんかよ。」
いつも通りポカンと聞いていた3人だが、ひとり大声で突っ込むクロム。
千空たちは慣れたのか、あーいつものめんどいのきたー、とか受け流す。が、ルーチェは咄嗟に耳を塞いだ。
「うるさい。なんでもあり、だったら、とっくに村に忍び込んでいる。この村で言うところの、主力部隊、つまり、攻撃魔導、メインにまなぶ。」
「は!わかったぞ。つまり、ルーチェは戦闘部隊という訳だったのだな。」
「えぇー!でも、うかせたり、紐を結んだりしてるんだよ。
これはなんでうごいてんだよ??」
スイカは不思議そうにハンマーをみつめる。
確かに、戦闘なら、物を浮かせたりなんやかんやする必要があったのだろうか?
そんな疑問が千空以外の頭に浮かんだ。
「あぁ。そこらへんは、まぁ、魔導?っつうの?それを学ぶ上での基礎的なもんだったんだろーよ。でも、より緻密な加工や、ものを動かす、となると、専門的な知識が居る、そんなとこだろ。」
「…あってる。」
「あぁ、なるほど、ね。俺らの時代で言うところの、学科、みたいなものね。」
「正解。」
ほんとに、観察してるし、勘がするどい。
そんな千空にこいつ、じつは魔導士なんじゃ、と、1ミリも有り得ないことを考え出す。
ルーチェは、馬鹿らしい、と自分の考えを拭い、完成した削り機を木に結びつけた。
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