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幻想科学物語

第3章 Z=2.5 Xデーの後日譚





何度も何度も治癒と浄化の魔導をかける。


それでもキールの傷は治らなかった。


そんなルーチェをみて、最後の余力をとおもい、ルーチェの手をそっと自身のからはなす。


「ルゥ、ル……私は、も、ぅ、ながくな、い。」


「先生!」


「る、ぅるぅ。お前は……詩を、わす、れずに…
いづれ、や、くに、た…つ……」


「キール、先生...」


キールは、そのまま息を引きとる。
ルーチェは、先生を失ったショックからその場からうごけなかった。


その間も闇の攻撃は続く。しかし、ルーチェは悲しみに浸りながらも無意識に攻撃を交わしたり、結界をはったりして、防いでいるものの、遂に攻撃は空からだけでなく、地面からも進行しだした。


飲まれる...
そう覚悟してそのまま身を任せ用とした時-----


バシッ!


何かがルーチェの体にあたる。いや正確には何かに抱えられたような感覚があった。しばらくショックで動けずにいたが風を感じ、目を見開く。


「しっかりしなさい!戦闘中よ!」


ルーチェの体を抱えて飛んでいたのはシーラだった。
シーラは、ルーチェを安全なところに降ろし、上空に向かって真っ直ぐ向かう。


そして、なにかの武器で陣をぶった斬ると、闇の攻撃が収まった。
シーラは破壊出来たことを確認して、ルーチェの元に戻り、森の方へと駆け込む。


ルーチェは何が何だかわからないまま、母に連れられるまま、森の方へとむかった。



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