第3章 Z=2.5 Xデーの後日譚
「ルゥルゥ!よかったぁあああぁあああ!」
ルーチェの気だるそうにも安心を与える優しい声をきいて、ルーチェの方に抱きつこうとするが、さらっと交わされたのでシーラはそのまま顔面と床でキスをしてしまう。
ルーチェは、何事も無かったのように帰ってきた母のための飲み物を用意する。
「母様、私もう25歳。恥ずかしいから、抱きつくのはやめて。」
いったぁああだ、といいながら体を起こすシーラに対して辛辣に声をかける。ルーチェは飲み物を一旦机におき、シーラを起こす手伝いをする。
「ありがとう、ルゥルゥ。」
「どういたしまして。」
いててて、と体を起こし、テーブルにかける。ルーチェの用意したコップに自身の好物、コーヒーが入ってることを確認し、ひと口すする。
ルーチェもシーラの対面に腰掛け、母の方をみて問いかける。
「母様、いまは授業中では?どうしたの?」
「そ、そうなのよ!!きいて!
あのね!窓から光が見えたの。そしたら動けなくなって、でも意識はあるの!
だから、体の自由を奪われてると思ってスキャナーしたら、体の外側に硬い反応がでたの!だか...」
「結論を先にいって。」
「石化を解いたあと、外はみんな石になってた。」
さすがのルーチェもシーラの言葉を聞いて唖然とした表情を浮かべる。
ルーチェを心配する母の言葉なぞ、何処吹く風というように、1人思案している。
(外の世界、人間が石化?まさか、ね?)
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