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幻想科学物語

第2章 Z=2 来訪者A





「動力魔導、専門外。基礎的な魔導を応用してなら、できる、かも。」


「あぁ、問題ねぇよ。科学王国はトライアンドエラーだ。
成功するまで試しまくる。医学だってそうだろうよ。魔導とやらファンタジーの世界は1ミリもわからんけどなぁ。」


そもそも魔導術も色々ある、と付け加えて言う。
その言葉に、納得したのか、それとも単なる好奇心か、ふっと、笑う千空。


(トライアンドエラー、か。
たしかに、魔導術もそうして様々な呪文、術式が産まれたって先生がいってたな。)


ルーチェは協力する前に、とみんなに向き直る。少し勇気はいる。
もしかしたら嫌われるかもしれない。それでも、今この場にいる全員には伝えなければならないと思った。


「みんな、いまから言うこと、信じなくても、いいよ。
でも、話は最後まで聞いて欲しい。」


「ふん!今更だろう、ルーチェ。なにか話したいことがあるなら勿体つけずに言えばいい。」


「そうだぜ、ルーチェ。お前には今回は助けられたんだからよ。」


「遠慮なくはなすんだよぉ。そしたらスイカももっとお役にたてるんだよぉ。」


3人はそれぞれ、好意的にルーチェに話すように求める。


ルーチェは先程までの怖いという気持ちや、嫌われたらどうしようと言う迷いが消えたのか優しい雰囲気になる。みんなも雰囲気が柔らかくなったこともみんなは察知したのか、みんなもそれぞれルーチェをみつめる。


「そしたら、歩きながら、話す。」


千空は実に合理的だな、そんじゃ、もどるぞー、といいながら1番にハシゴから降りた。



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