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幻想科学物語

第2章 Z=2 来訪者A





「だよねぇ...って、妖術発電?」


ゲンがうんうん、と納得しかけた時、ルーチェの方を指さしている千空をみて驚く。


ルーチェもまた、はあ?という目線を千空に送る。


「いやあ、腕力っていわれたらそりゃドイヒーって思うけどさぁ。
そもそもルーチェちゃんの力わからないんだよぉ?」


「あー、なんとかなんだろ。ルーチェが暴走しても、最悪、コハクいるから問題ねぇよ。体力俺と同じミジンコっぽいしなぁ。」


ゲンは驚きのあまり大声でルーチェの秘密を暴露する。千空は気にする様子もなく、耳をほじりながら大丈夫だろと言い放つ。


他の3人はなんの話やらピンときておらず、ルーチェも科学使いなのか?とかいや、医者とかいってたよーな、とか議論をし合っている。


ルーチェはその様子をみてもなお、葛藤する。
村はもうないとはいえ、ルーチェの魔導力が世の中にどんな影響を及ぼすかわからないからだ。
掟よりも、世界が争いになるなら、言いたくない。


が、千空はそんなルーチェの心情なんかお構い無しといったように、ルーチェの前につかつかと歩いていく。


「余計なことを考えるより、いまはサルファ剤が優先だ。
病人、ほっとけねぇんだろ、お医者サマ。」


「お医者サマ?」


千空の言葉にゲンは首を傾げる。
恐らく、何者からか、ルーチェは魔導士、としか聞かされてないらしい。


この自分より年下とおぼしき科学少年のいいたいこに、ルーチェは、はぁ、とため息を着いて、口を開く。



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