第2章 Z=2 来訪者A
そう言って手をヒラヒラさせる。
ルーチェはさすがに申し訳なくなったのか、ウォーティーウォッシ、と唱える。
すると、突然千空の手の上に水の塊ができ、それが弾けて千空の汚れた手が一瞬で綺麗になった。
千空は綺麗になった手をみて、ふっと笑う。
今起きた事象がおもしろかったのだろう。
「てめぇに話したいことは沢山あったが、もうそろそろ鉄ができるし、コハクとクロムが心配して探しに来る頃だ。一旦は手だし無用でいてくれるとおありがたいんだがな。」
「手を出すも何も俺の仕事は千空ちゃんの生存確認と、ピンクアイの魔導士、ルーチェちゃんの存在確認、だよ。どちらも存在せずに原始的な集落があっただけ、そう嘘の報告をするだけで千空ちゃんとルーチェちゃん、そして村は助かる。」
「ふふふ、もしそうしてくれるなら実におありがてぇ。」
「俺はなーんのポリシーもない世界一ペラペラな男だよお?可愛い女の子と暮らせればそれでいいの。司が死のうが、千空ちゃんが死のうが知ったこっちゃねぇ。俺は誰をきってでも、勝ち馬にのる。それだけさ。」
「そうか。だが、今から作るもんみたら、科学王国に入りたくなるかもよ。」
2人とも戻るぞ、といい、みんなで科学王国に向かって歩く。
科学王国に到着するやいなや、鉄の出来栄えを確認する千空。
心配してたクロムやコハクが大丈夫だったか?とか何もされなかったか?と2人を心配し、声をかけてきた。
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