第16章 Z=15 魔導士の剣、科学の灯
ルーチェは納得したようにふむ、と頷いた。
「聖剣、この使い方はどこかの本に書いてあるのかしら?」
「ございません。そのかわり、わたしがセイケンのつかいかたを知っています。わたしが、おしえます。」
「…わかったわ。ありがとう。」
「では、さっそくですが、トリアツカイほうほうについてせつめいします。」
LINNはセイケンについての取り扱い説明を始めた。
聖剣は細工が可能なこと、修復は聖剣が認めた魔導士の魔導力と基礎的な修復魔導で治ること、など。
更に、LINNが剣術の練習相手を務めれることも教えてくれた。
(……まるで、古代武器ね。聖剣だし、そんなものか。)
LINNの説明を聞いてはいたが、連日の疲れが溜まっていたおかげかルーチェは欠伸をしてしまう。
「Missルーチェ、おつかれのようですね。きょうはこのへんにしておきましょう。」
「……わるいわね。」
ルーチェが声をかけると、LINNは妖精の姿にもどりルーチェの目線の高さで浮遊し、来た道へと引き返す。
ルーチェもここは帰った方がいいかな?と思いながら、LINNの後を追いかけた。
来た道を引き返し、エントランスに戻ってきた。
「ありがとう、LINN。またくる。」
それだけを告げると、扉へと手をかけ、外に出る。
扉の外は仄かに明るかった。夜明けが近いのだろう。
「今日の午前は、休んだ方がいいわね。」
ルーチェはそう呟くと、前へと歩きだした。
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