• テキストサイズ

幻想科学物語

第16章 Z=15 魔導士の剣、科学の灯






(や、やった…)


ルーチェは等々聖剣を引き抜けた達成感から、気を緩ませその場に座り込む。


シーラは座り込んで肩で息をしているルーチェを後ろからそっと抱きしめると、ルーチェは後ろを振り替えようとした。


「ルゥルゥ、振り返らないで。」


優しく 囁くような声にルーチェは祭壇を見たまま、温もりを感じた。


「ルゥルゥ、これであなたは聖剣の保持者です。どうか、世界のために宵闇を打ち破りなさい。」


「母様。」


「本当はあなたを遺してあの世に行くのは心配よ。でも、もうお別れなの。あの世から見守っているわ。愛しいルゥルゥ、体に気をつけて。」


切ない声で言い切ると、シーラは消えていった。


背中に感じていた温もりが徐々に消えていくことで、母の遺した夢幻魔導がおわったのだと痛感し、一筋の涙をながした。


(母様、ありがとう。)


ルーチェは頬を伝う涙をそっと拭い、聖剣を抱えて立ち上がる。
そして、戻ろうとした時にあることに気づいた。


(あ、そういえば、これ、どうしたら…そのまま持ち歩く、訳には行かない。)


「スティックとおなじようにセイケンもチャームのかたちにできますよ。」


「LINN!?」


いつの間にか、ルーチェの目の前に長い白髪を後ろでまとめ、白いワンピースに身を包んだ女性、LINNが立っていた。


「わたしのヤクワリはエイチノトショカンをまもるとどうじに、このセイケンをまもるヤクワリもになってます。」


「…あぁ、そういうこと。理解した。」


.
/ 363ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp