第16章 Z=15 魔導士の剣、科学の灯
(や、やった…)
ルーチェは等々聖剣を引き抜けた達成感から、気を緩ませその場に座り込む。
シーラは座り込んで肩で息をしているルーチェを後ろからそっと抱きしめると、ルーチェは後ろを振り替えようとした。
「ルゥルゥ、振り返らないで。」
優しく 囁くような声にルーチェは祭壇を見たまま、温もりを感じた。
「ルゥルゥ、これであなたは聖剣の保持者です。どうか、世界のために宵闇を打ち破りなさい。」
「母様。」
「本当はあなたを遺してあの世に行くのは心配よ。でも、もうお別れなの。あの世から見守っているわ。愛しいルゥルゥ、体に気をつけて。」
切ない声で言い切ると、シーラは消えていった。
背中に感じていた温もりが徐々に消えていくことで、母の遺した夢幻魔導がおわったのだと痛感し、一筋の涙をながした。
(母様、ありがとう。)
ルーチェは頬を伝う涙をそっと拭い、聖剣を抱えて立ち上がる。
そして、戻ろうとした時にあることに気づいた。
(あ、そういえば、これ、どうしたら…そのまま持ち歩く、訳には行かない。)
「スティックとおなじようにセイケンもチャームのかたちにできますよ。」
「LINN!?」
いつの間にか、ルーチェの目の前に長い白髪を後ろでまとめ、白いワンピースに身を包んだ女性、LINNが立っていた。
「わたしのヤクワリはエイチノトショカンをまもるとどうじに、このセイケンをまもるヤクワリもになってます。」
「…あぁ、そういうこと。理解した。」
.