第15章 Z=14 完璧な医者と不完全な魔導士
ルーチェは、司が療養している洞窟に戻り、現状を説明した。
「……司さん、傷の縫合はなんとかなるけど、問題は敗血症。こればかりはサルファ剤でもどうにもならない。」
「そ、そうか……」
ルーチェは静かに司の症状を伝える。
司も覚悟はきめていたのか、特に動じることもなく、静かに診察結果を受け入れる。
「……任せる。ルーチェ、君に、俺の命を預ける。」
「司さん。最善は尽くします。」
ルーチェがそういうと、ちょうどタイミングよく千空たちが入ってきた。
「……薬、できたぞ。あと点滴も。ルーチェ、手術の準備は出来てるか?」
「いつでも、大丈夫。千空は助手を、ゲンはえっと、、、「杠ちゃんね」そう、杠、さんにガーゼや包帯の用意をお願いして。それと、万が一のための輸血候補を…」
「わかったよ、ルーチェちゃん。」
ゲンはそういうと、そそくさと出ていった。
ルーチェは気持ちばかりの手術着と手ブクロを魔導で2人分作り上げ、
点滴もどきの針を司に指す。
その中に入ってるのは魔導で調整した電解物質だった。
そして、手術道具、といっても、日本刀を細工したメスと傷口を縫い合わせる針しかないが、それらを石の台の上に広げる。
無菌結界をはり、司には催眠魔導をかける。
「----司さん、しばらく眠っててね。」
ルーチェがそう語りかけると、すっと、司は穏やかな表情なまま眠理につく。
「これより、外的縫合手術を行う。よろしく。」
ルーチェが高らかに宣言し、手術ははじまったり
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