第15章 Z=14 完璧な医者と不完全な魔導士
出発の前に、千空から話があるということで、全員を一同に洞窟の前に集まった。
全員が集まったことを確認して、千空と司が、みんなの前に立つ。
千空がみんな集まったことを確認して、コホン、と咳払いをする。
「まぁ先日まで敵だった訳だが、知っての通り、俺らは停戦協定を結んだ。停戦した今、目下の目標は司の妹の探索及び復活だ。戦闘員と大樹、杠は俺らに同行、それ以外のヤツらここで待機。以上だ。質問はあるか?」
千空の言葉に、その場は静まり返る。
空気はやや張りつめていたが、反論は出ない。
千空は間を置き、続けて、と話す。
「待機の連中の中には怪我したやつもいるだろう。そこで、だ。
怪我人 は必ずルーチェの手当を受けること。いいな?」
千空の発言にみんなはほかんとする。が、思考が戻ってきたのか、司帝国側からは、はぁああぁあ?という声があがった。
「俺らは科学王国との停戦は分かったが、ルーチェの存在を認めたわけじゃねぇ!」
「そうよ!大体、あの女……、魔女の娘じゃない!」
「俺らが魔女にどんなに痛めつけられたか…てめぇらはわかっていない…」
司帝国の面々から出る言葉、それは”恐怖”と”非難”だった。
ルーチェは、それを顔色変えずに、ただ黙って受け止めていた。
(…私は、ただの医者でしかない、けれど…)
ルーチェは司帝国の面々をちらっと見る。
ほとんどは軽傷で済んでいるが、中には重傷を負ったものもいた。
.
.