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幻想科学物語

第2章 Z=2 来訪者A





翌朝、眠れないなりにそれぞれウトウトはしてたのか、ほぼ同時に目覚める。


そして千空はクロムの倉庫から、なにやら防護服みたいなものを取り出し、前を覆うように着る。


その後、長い棒2本で砂鉄を溶かした容器を取り出し、型に流す。


作業が一段落したのか、防護服を脱ぎ、ゲンとルーチェについてくるようにいう。
2人は無言でついていき、昨日の続きを聞き出す。


「俺の仕事は千空ちゃんが死んだことの確認だよ。司、千空は生きてた、それで君は一環の終わり。でも、鉄の武器が出来たら情勢はもうわかんない。
それにね、ピンクアイの魔導士がいたからね。」


「ピンクアイの魔導士?」


ピンクアイ、その言葉に、千空はルーチェの方をみる。


ルーチェはいつかこんな日が来るのでは、と覚悟を決めていたのか、特に慌ててもいない。が、ゲンが魔導士について知っている、ということが問題に感じ、睨みを聞かせる。


「魔導士、存在、隠してる。なんで?」


「もう察してるんでしょ?ルゥルゥちゃん。」


ルーチェは、ルゥルゥと呼ばれたとたん、血の気のない顔をさらに青ざめた。


途端に過呼吸気味になり、膝を着くルーチェ。
その様子に慌ててルーチェの傍により、手元に口を当て、背中をさする千空。


「ルーチェ、大丈夫か!?しっかりしろ、ゆっくり呼吸しろ。」


千空の声掛けに少しは意識を取り戻したのか、ハァハァと息は荒いままだが、次第に落ち着きを取り戻す。




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