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幻想科学物語

第14章 Z=13 決着






「あなたもそのままだと、闇に支配されるわ。その前にもう一度聞くわね。私と共に宵闇様に仕え、静かなる闇の時代を築く気はある?」


シーラの言葉に、再度母はもういないことを自覚させられ、その瞳からは戦意が消え、項垂れた。


「…従う気は、ない。母様に殺されるなら本望よ。」


「そ、良い娘に育って母はうれしいわ。あの世からせいぜい宵闇に染まるこの大地を見守る事ね。」


そういうとシーラは剣を振り上げ、ルーチェの首目掛けて切っ先を振り下ろす。


ひゅんっ。ごぉぉおおぉお


シーラが剣を振り下ろすも、肉の切れる音や感触はなく、その代わり空を切る音と、何かが燃え上がる音が聞こえた。


ルーチェがいたはずの場所、そこを見ると、ただ魔導陣とエレメント石があるだけだった。


(くっ、あの小娘!エファシア。)


心の中で唱えると、炎は剣に吸収され、ドス黒い炎となって剣に纏われる。


シーラは開けた視界にも関わらず、姿を消したルーチェのことを探そうと、ゆっくりと顔を動かし、辺りを見回した。


「隠れてないで出てきなさい。」


シーラがそういうもルーチェが出てくることは無い。
暫く待ってみるも、返事がないことに痺れをきらしたシーラは、再度闇の玉を展開し、適当に当てる。


が、当たる様子もなくただ空の彼方へと消えていくだけだった。


(くっ、光魔道使えれば。けど、この体で使えば負担がでかいのよ。どうしたもんかね。)


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