第14章 Z=13 決着
ルーチェとシーラは、洞窟の前から、少し離れた場所に着地する。
シーラは開けた場所をキョロキョロ見渡す、とルーチェの方をみた。
「あら、ここを死に場所にするの?なにもないところ、だけど。」
「死に場所にする気はない。負ける気も、ない。」
ルーチェがそういうと、スティックを手に握り込む。
シーラも、ふーん、と短く答えると剣を構えた。
「フラム・クリスタ。」
ルーチェが呪文を唱えながら、スティックで弧を描く。
するとルーチェの頭上に燃える炎の塊が出現し、シーラ目掛けて発射する。
シーラはなんなくその炎を剣で捌き切る。
「あら、こんなもの?私に勝つには、こんな可愛い球じゃ、勝てないわよ。」
そういうと、シーラが剣を地面に突きつけると、ルーチェの下から黒い結晶が現れた。
ルーチェは間一髪のところで気づき、後方にジャンプして退ける。
着地と同時に次の魔導の展開をしようとしたが、追いかけてきた闇の球が手をかすり、痛みからスティックを落とした。
ルーチェが痛みに耐えながらも何とか拾おうと身をかがめるが、なにかの気配を感じ、咄嗟にローリングして右側に避ける。
ルーチェはなにかが飛んできた方向を見る。
そこにはシーラがこれまでに無いほど美しくそして残酷な笑顔を浮かべて剣を構えていた。
「あらぁ、上手に避けたじゃない。成長しててえらいわぁ。それでこそ、殺しがいがあるものよ。」
そう言いながら剣を刃先をペロッと舐め、ルーチェの方へとゆっくり歩みを進めた。
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