第14章 Z=13 決着
「千空!」
そう叫んでルーチェは千空の元へと行こうとした。
が、即座に、何かに手足が捕まり、身動きが取れなくなる。
「く…か、かあさま……やめ、て。」
「るぅるぅが私と一緒に闇に堕ちてくれるなら、辞めるわぁ。」
こちら側は楽しいわよぉ、とルーチェの耳元で優しく囁く。
ルーチェはその声に嫌悪感を感じ、はきそうになるのをこらえる。
「くっ、やっぱり、母様を乗っ取ったのね。」
「んー、ちょっと違う。正確には植え付けた、のよ。」
「どっちもおな…」
どっちも同じ、と言おうとした時、シーラはルーチェを縛っている鎖みたいなものに触れ、ルーチェの首元をさらに締める。
ルーチェは苦しそうに呻くも、決して諦めておらず、なんとか鎖から解放されないか思案した結果、鎖を燃やす呪文思い出し、唱える。
「プリフィカ・ラディーア」
ルーチェは息も絶え絶えに、なんとか呪文を唱えると、鎖が燃え上かる。その炎は鎖を伝い、シーラの手元まで及び、慌てて鎖から手を離す。
ルーチェは首から鎖が消えたことで、呼吸を整えながらシーラに向き合う。
「…ふぅん。すこし、躾が必要ね。」
「私の年齢、忘れたのかしら?躾が必要な年齢ではない。」
「……生意気ね。」
シーラは首元の剣のチャームを握りこみ何かを祈るポーズをする。
すると、その手には、黒く怪しい色に輝く剣が現れた。
「るぅるぅ、覚悟はいい?」
「覚悟するのは、母様よ!」
そういうと、ルーチェは相手の間合いに入り込み、シーラの肩に触れると同時にワープ呪文を唱えた。
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