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幻想科学物語

第14章 Z=13 決着






「やぁっと会いに来てれたのね、うれしいわ。るぅるぅ。」


ルーチェは恐る恐る後ろを振り返ると、そこには、以前の年相応の母、ではなく、肌ツヤも髪ツヤもまるで若返った白髪の美女がたっていた。


「か、かあさま…」


ルーチェがそういうと、みんなも耳にまとわりつくような声の主のほうをみた。


そこには、身長こそ違えど、ルーチェの顔立ちにそっくりな美魔女、いや、この場合は美女だろうか、そんな人がたっていた。


ルーチェはスティックを構え直し、白髪のじぶんのそっくりさん、シーラを見据えた。


「思ったより、元気そうね。母様。」


「えぇ、ここでの暮らしはとても楽しいわぁ。貴方もこっちで暮らせばよかったのに。」


「私は、科学王国の方が、楽しかった。」


ふーん、と興味無さそうに返す。
やり取り自体はよくある親子のそれなのだろうが、何故かこの2人が会話がどこか冷えたものだ。


千空がルーチェの隣にたち、シーラのことを見ると、シーラも紫に近いピンクの瞳を揺らし、にっこりとほほ笑んだ。


「あぁー、てめぇがルーチェのオカアサマか。ちいと頼みがあるんだが聞いてくれるか?」


「あらぁ、なにかしら?いっとくけど、私はるぅるぅみたいに協力するなんて、ごめんよ。」


「ククク、早速お断りかよ。純情科学少年からの熱烈な告白を聞いてくれでもいいんじゃねぇか?オカアサマ。」


「デネビ・エクスプロス。」


シーラがそう唱えると、千空の体が後方100メートルに吹き飛んだ。


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