第13章 Z=12 共闘
ルーチェがそう口を開くと、3人とも驚きのあまり困惑した表情でルーチェをみる。
暫く静かな時間が流れるが、それは杠が大樹を押しのけて前に出たことで打ち消された。
「ルーチェさん、でいいですか?頭を上げてください。」
杠が優しく微笑みながらそういうと、ルーチェも少し頭を上げて3人の顔を見ると、3人とも不安が拭えないのか、その瞳にはまだ恐怖の色が残っていた。
ルーチェはまだまっすぐ見れないのか、下を俯くと、杠がルーチェの手をとった。
「たしかに、シーラさんはちょっと怖かったし、あなたの顔がそっくりだったからびっくりしちゃいました。でも、千空くんたちとここまで来てくれたということは悪い人では無い、ということが分かります。
だから、一緒に戦いましょう。」
杠がそういいながらギュッとルーチェの手を握る。
その暖かい感触を感じながら、小さくありがとう、とだけ呟いた。
大樹とニッキーも杠の言葉に何かを感じるところがあったのか、ルーチェを見る目付きを柔らかくする。
そして、2人とも、宜しくね、というとルーチェは短く頷いた。
「ククク、感動の和解はそこまでしとけよ。こちとら時間が惜しいんだ。科学王国のカードが出揃った今、とっとと作戦はじめんぞ。」
「あはは、千空はドライだね。そこがいいんだけど。とりあえず、見回り行ってくるよ。」
そう言って羽京はジャンプして木の上までいき、千空たちは改めて作戦内容を全体に伝えた。
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