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幻想科学物語

第13章 Z=12 共闘






ゲンは千空があまりにも自信たっぷりに言うので、目を白黒させながら、どうやるのよ!と問い詰める。


すると千空は何も考えてないのか、あー、それはこれから詰めるぞー、といった。


「ありがとう。僕も精一杯協力するよ。とりあえず、どうしたらいいかな?」


「あぁ、いまから急ピッチで移動する。車の音が聞こえたらそっちに向かって歩いてきて欲しい。大樹、杠、ニッキーも一緒にだ。」


「わかったよ。もうそろそろ、司たちに呼ばれると思う。話が終わったらすぐにいくよ。」


そういうと、がちゃん、と電話が切れた。
千空は、ケータイを丁寧におくと、隣で無言で涙を流し続けるルーチェ、そして、未だに無血開城なんて無理でしょー、と伸びてるゲンの肩を叩く。


「てめぇら、しっかりしろ。ルーチェ、てめぇは世界に平和を取り戻すんじゃねぇのか?ゲン、てめぇはコーラが好きなだけ飲みたくねぇのか?」


「いや、俺だけなんでコーラ。」


「同盟の条件、っつてただろーが。ゲン、最後の仕上げあるんだ、手伝え。ルーチェ、てめぇもだ。」


千空がそう声をかけるも、ルーチェは俯いたまま動かない。
口では強がっていても、やはり母に刃を突きつけるのはまだ勇気が足りないらしい。


が、しばらくすると、俯いたままではあるが、どぼどぼと千空の方へ歩き出し、顔を上げた。


「母様を止める。そして、生きて帰ってくる。」


そう言いきったルーチェの瞳は決意の炎が宿っており、千空とゲンもそれだけ元気なら問題なし、と安心した。


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