第13章 Z=12 共闘
電話をかけると、すぐに司帝国と繋がり、千空はすかさずレコードを流す。
流石は歌姫、リリアンの歌で電話の向こうでは、感動の声が聞こえた。
ルーチェはすかさず喉に魔導をかけ、声をリリアンそっくりに切り替え、自分はリリアンであること、アメリカは復興していることなどを話す。
『アメリカは 軍の到着まではしばらく時間が掛かります。司君の石像破壊だけはなんとしても止めなければなりません。皆さん、私たちの到着まで千空君の作戦に従ってください。』
ルーチェが言い切ると、電話の向こうでは様々な声が聞こえる。
喜びの声を上げるもの、不安な声を上げるもの、それぞれだった。
電話の向こうである男の声が聞こえるまでは。
『楽しそうだね。僕にも聞かせてくれないかい?』
3人は険しい顔つきになる。ゲンはルーチェにさりげなく交代して、と合図を送り、2人の立ち位置を入れ替わる。
「Why talking now?This is Lillian Weinberg,
(あなたは、誰ですか?私はリリアン・ワインバーグです。)」
「……すごいね、本当にリリアンだ。普通なら僕の負けだったかもしれない。
However… there’s none of that subtle vocal tremor one would expect after singing with true passion. That’s not something easily imitated, is it?
And just now—Lilian’s voice sounded… almost uncanny.
So this Lilian must be you, Gen. Am I right? ゲン。」
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