第13章 Z=12 共闘
「おー、遅かったじゃねぇか。危うく作戦変更……」
待ち合わせ場所に先に来ていた千空が、おせぇぞ、と若干怒りながら耳を小指でほじくりながら2人の方をみると、唖然とする。
ルーチェとゲンが手を繋いだまま、やってきたことに対して驚いたようだ。
「千空、遅くなってごめん。ちょっと、図書館内が入り組んでて…」
「あ゛ー、それはわかった。で、テメェら、なんで手ぇ繋いでんだ?
遊びにきてるわけじゃねぇってことはわかってんだろーな?」
千空にそういわれて、初めて2人は手を繋いだままだということに気づき、慌てて手を離す。
「め、めんごー。わざとじゃないよ。館内で迷子になったら、よくない、ってなって、手を繋いでたんだよ。」
「ほーん。ま、てめぇらの関係性には1ミリも興味ねぇが、作戦に支障きたすなら口出させてもらうわ。」
ゲンが慌てた様子で否定するも、千空は呆れた口調で言う。
2人はごめん、と謝ったあと、千空も気持ちを切り替えたのか、とっとと始めるぞ、といって2人に背を向けた。
ケータイとレコードの設置を終わらせ、千空が作戦のおさらいはじめんぞー、と声をかける。
「作戦内容の最終確認だ。まずレコードを流す。その後に一か八かのルーチェの声帯模写で話す。羽京ってやつ、もしくは、シーラが出てきたらゲンとすぐ交代。わかったな。」
「「うん。」」
ふたりが頷いたのを確認し、千空はそんじゃ、始めんぞ、といってレコードをかけ始めた。
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