第13章 Z=12 共闘
頷いたゲンを満足そうに見つめると、ルーチェは少し離れて手を差し出す。
ゲンは真っ赤な顔のまま、その腕を受け取り立ち上がると、ルーチェの手を繋ぎ直した。
「ほ、ほんとに大丈夫なんだよね?」
「大丈夫、LINNに練習台になってもらった。」
ゲンがまだ不安そうな声で聞くと、ルーチェは難なく答えた。
その答えに、LINNちゃんは小さい妖精じゃん、と呟くと前からLINNの流暢な日本語が聞こえる。
「Mr.ゲン、だいじょうぶデス。ワタシは、ニンゲンのおおきさになれます。それで、Miss.ルーチェのツキアイました。ですが、ワタシはこのとおり、です。」
「ルーチェちゃん、LINNちゃんのことこき使いすぎでしょ。」
ゲンが呆れたようにいうと、ルーチェは出発するよ、と言わんばかりにぎゅぅ、とゲンの手を握り、呪文を唱える。
ゲンはどうにでもなれ、と思い、強く目を瞑った。
「ついた。」
ルーチェがそういうと、ゲンはおそるおそるゆっくりと目を開け、周りをみる。
そこはまごうこと無く、図書館のエントランスで、そして、自分の体にも特に異変は感じず、ホッと息をついた。
「練習、がんばったんだね。ジーマーですごいよ、ルーチェちゃん。」
「ありがとう。でも、大移動するための陣はまだまだ難しいからみんなには黙ってて。」
「わかったよ、ルーチェちゃん。さ、千空ちゃんが待ってるよ。早く行こう。」
ゲンはそういうと、ルーチェもこくりと頷き、2人は手を繋いだまま、図書館を後にした。
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