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幻想科学物語

第2章 Z=2 来訪者A





コハクの声と、金狼、銀狼の戦闘モードの気迫に、ラーメンを食べていた村人たちは、なになに?と騒ぎ始める。


千空はおやおや、というように、白黒頭の男に話しかける。


「どっかで見た顔だと思ったら、てめぇ、あさぎりゲンか。」


「知り合いか?」


「いーや〜、1ミリもしらねぇ。ゴミみてぇな心理本書いてたマジシャンだ。」


その言葉を聞いたゲンは、ヘラ〜っとした表情で千空の方を見る。


「読んだことあるのぉ?嬉しいねぇ。そんでゴミみてぇはひどいねぇ。メンタリスト、って呼んでよ。いやぁ勝手にラーメン頂いちゃったことは謝るよ。だからさぁ、この武器おろしてくんない?もう怖くて手足プルプルで…ラーメンこぼれそうで…」


口調もヘラヘラとしている。
そんな口調に騙された銀狼が、ラーメン持っててあげようか?などと的はずれなことを言う。


ゲンは、ありがとう、といって、ラーメンを銀狼に渡した後身振り手振りでこれまでの経緯を説明し出す。


コハクは短剣を持ったまま、警戒する。


(デタラメばかりだ。この男は微塵も怯えてない。その口から紡がれる言葉はめっぽう軽い。)


一通りの経緯を聞いていた千空が腕を組みながら口を開く。


「ククッ、まぁそういう事にしておいてやるよ。ともかく世の中タダ食いはねぇ。ラーメン食ったやつは、全員仕事があるんだ。」


不敵なそして、なんとも悪い笑顔を浮かべて、ゲン含め、その場の皆に向かって言う。



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