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幻想科学物語

第1章 Z=1 魔導士R





「ハッ。なぜ?だと?
この森で煙が見えた。確認しにきてみれば、見慣れぬ格好に、見慣れぬ容貌。怪しさ満点なのは明白だろう。」


凛とした鋭い声女性の声で答えが来た。
そりゃ言ってることは分かるが、いきなり戦闘モードで来られても、と少し戸惑う。


「穏やかに、話したい。危害、与えない。」


静かに、されど強めの涼しげな声で説得する。
背後にいるであろう女は、その言葉を聞き一瞬目を見開く。


「信じろという方が無理だ。貴様、長髪男の仲間だろう。」


「長髪の、男?」


女の問いかけに女性は不思議そうに答える。
その声色からは嘘をついてるような素振りもない、真っ直ぐな声。
女性の息遣い、声色、そして身体全てから嘘をついているような素振りは感じ取れなかったのだろう。


(私の勘違い、か?)


凛とした声の女は首元に突きつけてた、刃をひっこめ、腕をおろし、女性を解放する。


ケホケホっと咳き込むも、すぐに呼吸を整える。


とりあえず、首の皮一枚繋がったことに安堵を憶える女性。
しかし、安心してる場合ではなく、背後の女性に向き直る。


「私はルーチェ。大分前に石化から復活した復活者。」


「るぅ、ちぇ?復活者?
ますます訳がわからん。名前も聞きなれないしな。」


ルーチェの目の前にいる女が、青色の瞳を険しくしたまま言う。
ただ、彼女の服装をみた、ルーチェもさすがに無表情というわけにいかず、引き攣った顔になった。



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