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幻想科学物語

第1章 Z=1 魔導士R





パチッ、パチッ、パチッ。



川から少し離れた森の中、ゆらゆらと炎を燃やしてる一人の女性がいた。


見た目は白髪のボブ。
ゆらゆらと揺らめく炎を見つめる瞳は淡いピンク色だが、その瞳に感情はなかった。


顔立ちは小顔で、座り姿も小さく、高校生ぐらいにみえる高さである。
だが、彼女の雰囲気はとても静かで無に帰しているのか子供には見えない。


しばらく、火の様子を見つめていたが、なにかに気づいたようだ。
周りに問いかける。


「視線、わかる。用があるなら、話せば?」


後方の茂みに視線を移す。
しばらく、後方の方を警戒し、視線を送り続けるが気配がない。


(敵意は、ない?動物?警戒するだけ無駄。)


ただの動物かと思い、再び焚き火の方を見る。
火が少し弱くなったのか、先程よりも小さくなった。


少し火を強めようと、木材を入れる。
そして、しばらくしてウトウトしかけたその時------


サッ、サササッ。


何者かが飛び出るような風の音がした。
彼女は立ち上がり、音の直線上から少し横に、避けようとするが、間に合わず、後ろから羽交い締めにされる。
そして、首に冷たい金属の感触が走る。


(油断した時を狙ってたのか。)


己の読みの甘さを噛み締めるも、一か八か命乞いをしてみようと考え、口を開く。


「短剣、物騒。私は危害を加える気は無い。なぜ?」


単語で相手に問いかける。
その問いに刃の持ち主は眉をひそめながら口を開いた。


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