第13章 Z=12 共闘
「ククク、そうは言っても、リリアンが生きている、っつう情報はもう司帝国に広まってんだ。司帝国への先制攻撃へのラストミッション、スタートだ。」
「といってもねぇ、羽京ちゃんのゴイスーな耳を誤魔化し切れるかどうか、あとルーチェちゃんの魔導力を感知されないか、で別れるんだけどねぇ。」
ゲンが切なそうにいうと、クロムは何かを考え込むように下を俯くと、その変化に気づいたルーチェがどうしたの?ときいた。
「あ、いや。もしかしたら、ルーチェの方はバレねぇんじゃ、って思ってな。」
「ん?どういうこと?クロムちゃん。」
「もし、ルーチェのおふくろさんが奇襲かけるなら、とっくにかけてきてると思う。ルーチェも魔導使ってたし、俺も"お守り"を何個か使ったからよぉ。でも、追いかけてくることはなかった。」
だから、成功するんじゃ…
そう言葉を続けるクロム。
ルーチェも思いたあるふしがあるのか、無表情ではあるが、その瞳は不安に揺れていた。
「千空、いまから作戦決行日まで、図書館に籠っててもいい?」
「あー、ま、戦車も完成してるしな。作戦決行日にゲン迎えにやるわ。」
「なんで俺!別にいいけど。」
図書館に行くことに許可をもらったルーチェは、ありがとう、とだけいって、足速にその場から離れていった。
3人はルーチェの後ろ姿を見送るだけだった。
「さーて、俺らも準備すんぞ。」
ルーチェの背中が見えなくなったところで、千空の一言により他のふたりもケータイ設置のための視察を行うのであった。
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