第13章 Z=12 共闘
ルーチェは再び透明魔導を使い、透明人間になると、人一人分通れる穴から司帝国へと侵入した。
足跡が付かないように、地面から数センチ浮き上がり、まるで幽霊のように、あちこちと歩みを進めていく。
(おかしい、色んなところに結界があるのに、あそこだけ。)
ルーチェは怪しく思いながらも結界が張られてない、ひらけた場所へと進む。
しばらく進むと、どうやらそこが当たりだったようで、目の前には崖があり、そこにクロムが囚われていた。
ルーチェは一気に上昇し、クロムの竹の柵の前まで行き、小声でそっと話しかけた。
「クロム…聞こえたら、床を叩いて。」
「!?!?おい、ルーチェか?」
クロムは最初、姿の見えないところから声が聞こえて驚くも直ぐにルーチェがきた、ということがわかり、自身も小声で返す。
「うん。助けに来た、といいたいけど、今この状況で魔導使うのはきつい。もう少しだけ待ってて欲しい。そしたら、皆で助けに来る。」
「……ルーチェ、助けに来てくれるのはありがてぇが、その必要はねぇ。ここに来るのは危険だ。俺自身なんとかして脱出する。」
「なんとか、って…外には見えない壁のようなものがいくつもある。
それに触れたらどうなるか、わからない。」
「へ!おれは科学使いだ。これまで学んだ科学で絶てぇここから出る。」
ルーチェのいうことはまるでガン無視なことに、少し呆れたようにため息をつく。
何を言っても無駄そうなので、ルーチェはポケットからそっと"お守り"を取りだした。
.