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幻想科学物語

第12章 Z=11 作戦会議






ルーチェは戸惑いを隠せないのかその瞳を大きく揺らした。


悲しさからか、それとも寂しさからか、ルーチェは受話器をギュッと力を入れて握りこんだまま、言葉を続ける


「母様の様子は?生きているの?元気なの?ちゃんとごはんは…」


「…あぁ、元気だ。生きているさ。でもね、あの女は私らに恐怖を与え続けている。なんていうか、怖いんだよ。怪我とかは直してくれるさ。でもね、声といい、その目といい、不気味に感じるんだよ。」


「……ニッキーさん、それは…」


「あんたも同類なのかい?あの女と同じ、恐怖、を与える存在なのかい?」


その言葉になにかを思い出したのか、ハッとする。


キールとシーラがずっといっていた、太陽の沈まぬ光の時代を地球にもたらすこと、魔導士の存在意義について。


ルーチェからは、戸惑いや迷いと言った感情がすうっと消えていき、代わりに熱く燃え上がるような決意が沸いた。


「私は、いつか、闇を打ち破って"太陽の沈まぬ光の時代"を必ず作る。魔導で支配なんかしない。太陽の光女神にかけて誓う。」


ルーチェの力強い説得が聞いたらしく、暫く静かになったあと、ニッキーはそうかい、と言って千空に話がある、といった。


千空は受話器の付近にたち、用件はなんだ?と声をかける。


「あの女の娘が正気だということはわかった。作戦内容をおしえな。」


仁姫がそういうと、千空はにやっとわらい、作戦について伝え始めた。


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