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幻想科学物語

第12章 Z=11 作戦会議






「……司軍寝返らせるために、俺らはこのレコードがいる。てめぇはこのレコードを守りてぇ。利害は一致してんだろ?」


「…いいだろう!取引成立だ。あんたらの作戦に乗ろうじゃないか。わたしは花田仁姫。ニッキーと呼んでくれ!」


ゲンとルーチェはホっと胸を撫で下ろす。
千空もこの作戦に仲間が増えたことに安心したのかその表情はとても嬉しそうだった。


安心感からほっと息を着いているところに、受話器からニッキーの声が聞こえる。


「ところで、リリアンの声真似をしていたのは誰なんだい?」


再び緊張が走る。いや、ルーチェが生きていることはきっと司にはバレている。問題はニッキーもルーチェとシーラの存在を知っているのか、ということだった。


千空は少し待ってろ、と声をかけ、ルーチェの方を向いた。


「ルーチェ、最後に聞く。司帝国側に存在を明かしてもいいんだな?」


「……母様が向こうで生きている以上、秘匿し続けるには限界がある。構わない。」


「くくっ、そうかよ。ならてめぇのこと話すぜ。」


そう言って再び受話器に手をかける。
千空は、今まで会話していたのは、シーラの娘、ルーチェであること、魔導士としてこちら側についていること、などを話した。


電話の向こうでは驚きの声が上がるも、ニッキーは怖気付いた様子など見せずにルーチェに変わるように言った。


「あんたが、あの女の娘、なんだね。」


「…母様をしってるの?」


「あぁ、知ってるも何も。最近は帝国民から恐れられているよ。」



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