第12章 Z=11 作戦会議
「千空、リリアンの3サイズ分かる?」
「わかるか!だぁもう、今計算する。ちと待ってろ。」
そういって、いつもの二本指を立てて、思考に老ける。
こちらはすぐに出たのか、数字を再び耳打ちした。
ルーチェもまた頷き、防音魔導を解いて、千空から導かれた答えを言う。
「88、65、85。」
「…プロフィールではもっとずっと細いよ。あんたはリリアン・ワインバーグじゃない!。」
「……」
もはやなせることがなくなったのか、ルーチェは2人の方を向く。
もはやルーチェでもごまかせない、と察した千空はレコードの準備に取り掛かる。
「レコード行くぞ。はったりより、科学にかける。」
そう言ってレコードを流し出した。
リリアンの歌が流し終わると、女の人の鳴き声が聞こえてきた。
その声はとても切なかった。
千空は、変われ、と合図すると、ルーチェは受話器を渡し、ゲンの隣へとたった。
「…リリアンはもうこの世にいない、そうなんだね。」
「あぁ、そうだ。」
「でも、あんたが復活させてくれた歌の中ではずっと生きている。
…これは科学の質問だよ。あんたの力なら他のリリアンの曲も復活させれるのかい?」
「いや、無理だな。ボロい録音媒体なんざ、塵に帰ってるわ。
てめぇに約束してやれんのは一つだけだ。この最後の歌だけは必ず俺が守ってやる。科学の力で。」
「あんたも、不器用だね。科学にだけは嘘をつかない。信じるものがあんだね。ちょっと惚れそうだよ。」
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