第12章 Z=11 作戦会議
ルーチェがゲンを連れ帰り、村につき、大樹と杠からの電話を待つこと数日。その電話は掛かってきた。
千空は感動の再会の挨拶もそこそこに、2人に見張りを連れてくるように伝える。
暫く物騒な物音が聞こえたが、それも止み、大樹が連れてきたぞ、といったところで、ルーチェは声帯魔導を使い、リリアンの声になる。
「Hy,I’m Lillian Weinberg.
(こんにちわ。私はリリアン・ワインバーグです。)」
「えぇ、私は通訳のセバスチャンでーす。」
「This call is from America.Please listen to me.
The U.S.A is recovering.」
「この電話はアメリカからです。きいてください、日本のみなさーん。アメリカ合衆国は既に復興しています。」
ルーチェの英語と千空のわざとらしい日本語翻訳がなされる。
電話の向こうでは大樹が、うぉーー!と叫んでいるがそれ以外の人の反応がないことから、杠は恐らく察してくれたのだろう。
ルーチェがさらに英語で続けようとすると、もう1人の女性の声が聞こえてきた。
「まちなよ。その前に、リリアンなら宇宙に居たはずだよ。」
「そう!石化したときは宇宙にいて、地球に戻ってきたと同時にもう一度石化したの。起こしてもらったのは大体1ヶ月前かな。」
そう言うと、再び、静かになる。
そして、すぐに泣きながらの叫び声がきこえた。
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