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幻想科学物語

第12章 Z=11 作戦会議






ルーチェはさらにワープについての説明を行う。


曰く、ワープはマッピングがないとできない。つまり知らない土地には使えない。
曰く、本によれば事故も多く、ワープ先とワープ前の地点で体がばらばらになる事故もある。


「ほーん。某魔法映画の移動魔法使った時の事故が実際にあった、と。」


「私一人だと問題なく使える。けど、さすがに人をとかつれてだと、自信ない。」


千空は行き詰ったときの癖で頭をポリポリと掻きながらまた何かを考えると、ルーチェは残りのお茶を静かに飲む。


しばらく唸りながら考えていた千空だが、答えにたどり着いたのかルーチェに向き直った。


「ワープがダメなら、空はどうだ?何回か、物運んで飛んでただろ。」


「空なら大丈夫。」


「あーなら、いけるかもな。ルーチェ、てめぇはゲン達についていってほしい。そして、ケータイを向こうで設置した後、少し離れたところから空輸経由でここまで連れ帰って欲しいが…できるか?」


「できないことは、ない。けど、それだと、ある物が必要。なかったら無かったで、何とかするけど…」


「くくっ、魔法使い、いやルーチェは魔導士だったか。空飛ぶために使ってる箒、か。人間界で作れる素材でいいなら、何とか作れるぜ。」


「そこらへんの木材で大丈夫。操縦方法は風と浮力。それをキープして空を飛ぶ。」


「なら問題ねぇ。数日で作るわ。」


ごちそうさん、といってカップを近くに置いて、手をヒラヒラさせながら診療所から出ていく千空であった。


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